Ingrid 38は、重排水量、フルキールのクラシックな外洋航海向けヨットで、コリン・アーチャーの有名なダブルエンダー・デザインに基づきウィリアム・アトキンスが設計したものです。荒天時に発揮する性能の高さはよく知られており、どんな海況でも安定したクルージングが可能。同時に快適な居住性も誇ります。

本艇は1980年に建造され、2010年には当時の所有者が大掛かりな改修とアップグレードを実施しています。このとき、チーク材を使用した内装、ヤンマー4JH4Eエンジン、ケーブル類、配管類、ブロンズ製シーコック、ステンレス製清水タンク3台、造水機などが更新されましたが、これらの完了直後に残念ながら所有者は他界。その後あまり使用されることなく、家族や友人が大切に維持管理を行ってきました。

現所有者は本艇を2023年に購入。セイル、ランニング・リギン、スタンディング・リギン、ジブ・ファラー、ドジャー、ライフライン、太陽光パネルおよびレギュレーター、オートパイロット、ウィンドベーン、救命ボート等々に多額の投資を行い、設備を最新の状態に引き上げたほか、ラダーのファイバーグラス交換、バウスプリット、造水機、ディーゼル燃料使用コンロ／ヒーターの交換も実施しました。

本艇は2024年に米国から帆走して来日。現在は、次の所有者のもとで安全・快適なクルージングに出発する日を待っている状態です。